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【開催報告】第2回SDGsオンラインセミナー

  • レポート

6月30日にSDGsオンラインセミナー「地域の企業から学ぶ脱炭素」を開催しました。

第2回「身に着けるものでエコを考える」は、
株式会社 艶金の代表取締役社長 墨 勇志 様をお招きし、繊維産業における環境負荷の現状や、環境負荷低減に向けた内外の取組みについてお話ししていただきました。



洋服は私達の生活では必需品になっています。洋服と脱炭素にはどんな関わりがあるのでしょうか。今回のセミナーは身近なものから脱炭素やエコについて考える内容でした。



洋服を作るのに必要な布を染める染色業はたくさんの水とエネルギーを必要とします。1日で約4000トンの水を使用し、大量の水を熱して染色しているとは驚きました。染色業をはじめとして、ファッション産業は製造過程で大きな環境負荷を生んでいます。



株式会社 艶金では昭和62年からバイオマスボイラーを使用しています。バイオマスボイラーではかつて建築材であった木を燃やすことによって、カーボンニュートラルを実現させます。導入当初は環境に良い取組みであることをPRしても、なかなか耳を貸してもらえず苦労されたようです。たくさんのエネルギーを必要とする染色のためのボイラーでカーボンニュートラルを実現できるのは脱炭素社会を目指すうえで、とても画期的な取組みですね。



年間の二酸化炭素削減については、2030年までに2018年比の50%削減を目標にしているとのこと。株式会社 艶金では二酸化炭素排出量をSBT基準で定めています。SBTとは、パリ協定が求める水準と整合した5年~10年先を目標として企業が設定する、温室効果ガスの削減目標のことです。削減対象とする温室効果ガスの排出量はScope1~Scope3まで分類されます。Scope1は事業者自らによって直接排出される温室効果ガス、Scope2は他社から供給される電気・熱・蒸気の使用に伴い間接的に排出される温室効果ガス、Scope3はScope1とScope2以外の間接排出による温室効果ガス(他社の製品を使う、製品の廃棄)を示します。

墨 様のお話の中ではScope3の排出量が多いとのこと。企業の活動には他の企業が関わり、製品の破棄があります。SBTを達成するためには多くの企業が温室効果ガスの削減に努力し、製品の無駄を少なくしていく必要があることを学びました。



株式会社 艶金では、温室効果ガスの削減以外にも、環境に関わる活動がおこなわれています。地球の未来を見据え、何ができるのかを考えるのは私たちの共通の課題です。

今回のセミナーでは私たちの身近なモノであるファッション産業の製造過程でたくさんのエネルギーが使われていることが分かり、何気なく購入し、捨ててしまう洋服のあり方を考える機会となりました。また、温室効果ガスの削減は多くの企業が共に努力していかなければ達成が難しい問題であることも学びました。消費者である私たちも商品を手に取る時はその商品の背景を知ることが大切だと感じました。

墨 様、ご参加いただいた皆様ありがとうございました。
当日見逃した方、またもう一度ご覧になりたい方のために、アーカイブもなごや環境大学YouTubeチャンネルにて公開しております。ぜひ、ご覧ください。