PROJECT プロジェクトなどの活動に興味のある方

SDGs普及啓発教育プログラム 第3期 なごや環境大学SDGsアソシエイト養成講座 第2回

  • レポート

2023年8月19日(土)、SDGs普及啓発教育プログラム 第3期「なごや環境大学SDGsアソシエイト養成講座」の第2回を中部大学研修センターにて開催しました。

第2回と次回の第3回は座学ではなく、フィールドワークとしての開催です。

今回のテーマは

「東海地方固有の湧水湿地生態系を学ぶ ~いきもの観察と水質調査~」

中部大学 応用生物学部 環境生物科学科の南 基泰教授、六車先生、研究室の学生の方々のご指導のもと、東海地方固有の湿地生態系についての講義、湧水湿地、貯水池での採水、植物、昆虫の観察を行いました。

中部大学研修センターは、恵那にある緑あふれる里山の中にあります。

50年程前にはげ山状態からスタートしたとのことです。

この場所ならではの貴重な植物や生き物、地形の成り立ちもみることが

でき、南先生曰く、「モデル植物園のような里山」です。

里山は、年月の経過によりそこに育つ樹木の移り変わりがあるそうで、

長い年月をかけ、その経過を観測していくことができます。

現在は、赤松が多く生える山から落葉樹林、そして照葉樹林へと移り変わってきているそうです。

講義のあとは現地へ。

湧水湿地では、モウセンゴケやミミカキグサという植物が観察できました。

さらに幸運なことに、ヒメタイコウチやハッチョウトンボという体長20㎜程度の日本で最小のトンボと出会うこともできました。さらにヒメタイコウチの抜け殻もありました!

ヒメタイコウチやハッチョウトンボは観察後にリリースしました。

この湿地は一帯に広がる大型の湿地ではなく、山の傾斜が崩れた所にできたこじんまりした湿地です。

それでもこうして希少な植物等を観察できるのは、この里山が人の手によりある程度の下草の整備がされているからだとか。小さい湿地は下草に埋もれて消滅してしまうことがあるそうです。

同じ場所には丸い石ころがいくつかありました。

丸い石と言えば、河原で見かけますが、なぜ、山奥に? 

それは、かつてこの辺りに木曽川が流れていた名残だとか。

地殻変動により木曽川が今の位置に移動したとのことです。

ただ散策するだけではわからない貴重なお話が聞けました。

また、休耕田、貯水池付近では、別の場所で希少種である植物を移植して、定着するかを観察している場所がありました。

観察後は、湧水湿地、ため池のそれぞれで採水をし、研修センターに持ち帰りました。同時に水道水、ミネラルウォーターを用意し、専門家でなくても検査できる市販の簡易水質測定キットで水質を測定しました。これは、湧水湿地特有の水質を知るためです。


各班に分かれ、水質検査をしましたが、上手く測定できた班もあれば少し値が怪しい班もありました。

測定に少しコツがいるようです。

測定の結果、湧水湿地の水質は、水素イオン指数(pH)は弱酸性。また、ECという電気伝導度(Electric Conductivity)を示す値は貧栄養を示し、一般の湧水湿地と同じ水質結果となりました。

ちなみに、こうした環境でなければ、現地で観察できたモウセンゴケは生育できません。

その後、先生から追加のお話、そして受講者からの質問タイム。

個人ではなかなかできない体験ができ皆さんの好奇心が高まったようで、多くの質問が出ました。

バスの帰りでは、恵那名物の団子型五平餅を食べることができ、恵那ならではの食べ物を味わうこともできました。

フィールドワークを経験することで受講者同士の距離も縮まり、和気あいあいとした雰囲気の中、第2回の講座を終えることができました。

南先生、六車先生、学生の皆さん、受講者の皆さん、中部大学の事務局の皆さん、ありがとうございました。

次回のフィールドワーク報告もどうぞお楽しみに!

【追加のお知らせ】

☆★2023年9月から始まる「SDGs普及啓発教育プログラム」の受講生を現在募集中です★☆

興味のある方はぜひこちらもご覧ください↓