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【開催報告】衣食住からSDGs -日本の伝統編- 第2回 「名古屋の伝統野菜から考えるSDGs」
2023年10月21日(土)、衣食住からSDGs -日本の伝統編- 第2回「名古屋の伝統野菜から考えるSDGs」を講演とワークショップ形式で開催しました。
講演では、あいち在来種保存会 代表世話人の高木 幹夫様より、伝統野菜とは?から始まり名古屋の伝統野菜や種の保存等、大変興味深いお話をいただきました。
伝統野菜は全国各地にあり、その土地の風土に合った野菜があります。例えば、「京野菜」、「なにわの伝統野菜」、「加賀野菜」、「江戸東京野菜」、「博多伝統野菜」等。
そして、あいちの伝統野菜は現在37品目あります。そのシンボルマークとして、愛知県にゆかりのある「信長・秀吉・家康」の三英傑の顔が野菜と一緒にデザイン化されたものがあり、PRに一役買っています。
あいちの伝統野菜とはどのようなものが該当するのでしょうか? 定義は4つです。
・昭和30年頃に栽培されていたもの
・地名、人名がついているものなど愛知県に由来しているもの
・今でも種や苗があるもの
・種や生産物が手に入るもの
その土地に長く関わり、次世代に引き継げるものということですね。
そうした伝統野菜を守るには種を可能な限り純正に保つため、大変な苦労があるようです。
まず、残したい種は、その伝統野菜の特徴がよく出ている実(野菜)を選び、その株の花をさらに咲かせます。ここで花の受粉時に他の品種の花粉が雌しべにつかないようにネットをかぶせ保護します。
野菜の中には雌株と雄株でわかれているものもあるため、雌花の開花時期を逃さず畑を管理しなければなりません。高木様は「趣味でやっています」と笑ってお話しくださいましたが、実際の作業はかなり大変だといえます。
では大切に種が受け継がれている伝統野菜の味はどういったものでしょうか。
それは、その野菜らしい味が強いものが多いそうです。旬の時期しか栽培できないことも関わりがありそうです。
高木様曰く「今の野菜にはない強い香り、えぐみ、苦みなど多様な味が備わり、日本人の繊細な味覚を育ててきた野菜」の味だそうです。
それぞれの伝統野菜は野菜らしい味、風味があり、美味しさがあるのですが、その種を別の市で栽培すると、「あまりおいしくない」ということもあるのだとか。その土地の風土に育まれた野菜ならではのエピソードといえます。同時に伝統野菜を守って次世代につなげていくには、今後の環境の変化、例えば気候変動もその土地の野菜を育てるうえで大きく関わっていくことに気づかされました。
高木様は「伝統野菜は地域の特徴を活かしてつくられてきた歴史と文化を伝える大切な財産」とおっしゃっていました。
ご参加くださった方の中には家庭菜園等をして野菜に詳しい方もいて、講演後は活発な質疑応答となりました。
講演の後はワークショップです。
ワークショップのテーマは「名古屋の伝統野菜に関わるプロジェクトを考えてみよう!」
グループごとの話し合いでは、伝統野菜をPRするためのアイデアが次々と出て、活発な話し合いができました。
最後にグループごとに話し合った内容を発表していただき、講師の高木様に参加者からのアイデアをお伝えすることができました。また、その中で取り入れてくださるアイデアがあり、充実したワークショップになりました。
参加者の皆さんに高木様ご自身が採種したあいちの伝統野菜である「もち菜(正月菜)」の種をいただきました。今がちょうど蒔き時ですが、種は3年程もつとのことです。
参加者の皆さんからは「さっそく蒔きたい」という声があがりました。
高木様、ご参加くださった皆さん、ありがとうございました。
次回の衣食住からSDGs -日本の伝統編-「住まいから考えるSDGs」は12月2日(土)に開催します。
興味のある方はぜひご参加ください!!
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