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【開催報告】第1回SDGsオンラインセミナー

  • レポート

 5月31日にSDGsオンラインセミナー「地域企業が守り育てる生物多様性」を開催いたしました。

 第1回「IT企業が生物多様性に取り組む理由と未来」は、株式会社creatoCWP事業部責任者 岡本 亮太 氏をお招きし、約20人~30人規模のIT企業がなぜ生物多様性に取り組むのか、営利と非営利の両輪で取り組む内容と見据える未来についてお話ししていただきました。

 一見生物多様性とは程遠いイメージのIT企業ですが、IT企業だからこそできる強みを活かし、様々なアプローチで生物多様性に取り組んでいます。

【営利と非営利の両輪】
 営利企業の側面、非営利型一般社団法人としてClearWaterProject(通称CWP)も同メンバーで運営し、例えば、営利企業で開発したアプリを非営利の活動で拡げることをしています。
営利で利益ばかりを追い求めるのではなく、非営利で慈善活動ばかりをするのではない、営利と非営利が重なる部分にこそ、持続可能で想いを込めた本質的なやりたいことが詰まっています。
これからの未来を明るく照らす重要な考え方ではないでしょうか。

【生物多様性に取り組む理由と内容】
 岡本さんの会社では、会社そのものを生物多様性として捉え、生物多様性は人間を含む様々な生物が個性を活かしあい、バラエティに富んでいることとして考えているそうです。環境学習やAI技術を用いた夜行性動物のモニタリング、海ごみ問題など多岐に渡る取り組みを行い、それぞれが個性を活かしながらシステムやノウハウを社会に還元しています。エンジニアの方も実際に外に出て、現場で何が起こっているのかを自分たちで見て活動しているそうです。

【見据える未来】
 生物多様性の発展と継続にはシステムは不可欠です。“生物多様性に取り組むIT企業”として指名してもらい、今後は様々な企業、団体、行政と連携していきたいと考えています。営利と非営利の両輪に、他社・他者の「生物多様性に取り組みたい」という想いが交わると、30by30、SDGsの環も広がるのではないでしょうか。取り組みたいことはあるけれど、フィールドが無いという声にも提案や伴走が可能だそうです。


 講演の中にもありましたが、生物多様性の取り組みは今後も拡大していくことが予想されます。ネイチャーポジティブやTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)というキーワードも頻繁に耳にするようになりました。今後ますます、生物多様性にとって企業の取り組みは欠かせないと感じ、加えて非営利や他社との連携が生み出すちからについてもまだまだ未知の可能性があり、とても興味が湧くお話しでした。

岡本様、ご参加いただいた皆さまありがとうございました。
当日見逃した方、またもう一度ご覧になりたい方のために、アーカイブもなごや環境大学YouTubeチャンネルにて公開しております。ぜひ、ご覧ください。


【皆さまから寄せられた質問の回答】(講座中に答えられなかった質問と回答)

Q1: なにか企業のメンバーとこのような活動を実施する際の課題点・よかったことはありますでしょうか?
A :エンジニアという職種上、遠隔地やベトナムに居住するメンバーもいるため、全社的な取り組みを一体的に行うことの難しさを感じることはあります。一方で、例えば、清掃活動などは、名古屋だけで行うのではなく、それぞれのメンバーが居住する地域で、活動を行うことで、活動数が増えるし繋がりも増えるので、それは良かったことだと思います。

Q2:ピリカとごみゼロの違いはどのような点でしょうか?また、素敵なアプリでイベント等で利用したいと考えていますが、今後のバージョンアップの予定があればご教示ください。
A :違いをお伝え出来ないかもしれませんが、「ごみゼロ」で重視しているのは、どこに、どんなごみが落ちていたかのデータを蓄積していくことです。市民が蓄積したデータを活用して、自治体や大学等がまちづくりや事業、研究を行ったり、その参考にしたりすることを想定しています。また、企業がCSRや社員の健康づくり事業の目的により、ごみ拾いを励行し、「ごみゼロ」アプリの利活用が増えると嬉しいと考えています。逐次バージョンアップはしておりますので、ぜひダウンロードいただければ幸いです。

Q3:自然共生サイトについて審査委員から面積が狭くて申請に至らなかったということですが、名古屋市内で考えているなどありましたら教えていただけますでしょうか。
A :名古屋市内での自然共生サイト登録を自社で行うこと等は考えておりません。私たちは、申請をしましたが面積の関係で認めてもらえなかったのですが、自然共生サイトへの登録は今後も増えていくのが望ましいと思いますので、名古屋市内をはじめ、各地で申請をお考えの場合には、私たちの申請等に関する経験から支援させていただければ幸いです。