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【開催報告】【フィールド体験&NPO・企業・行政×あなたのSDGs企画大会!】第1回

  • レポート

2024年6月1日(土)にフィールド体験&NPO・企業・行政×あなたのSDGs企画大会!

第1回「養蚕から環境にやさしい商品づくりを考える! 」を、岐阜県美濃加茂市にある「ぎふ清流里山公園」内の「かいこの家」にて開催しました。

この講座は、参加者が、実際の蚕を見て養蚕と環境に関わる話を聞き、その事業に取組む企業に対して環境にやさしい取組みや商品についてのアイデアを出し話し合うという講座です。

講師には富士凸版印刷株式会社 代表取締役の山本 登美恵氏をお招きし、その他同社社員3名の方々にもご協力いただきました。

まず、エコパルなごやに集合し、バスで岐阜県美濃加茂市にある「ぎふ清流里山公園」へ出発。バスの中では、なごや環境大学の環境教育コーディネーターによるSDGsクイズもあり、現地までの時間を楽しみました。

「ぎふ清流里山公園」は、緑豊かな広々とした公園で敷地には昭和の懐かしい建物や牧場、飲食の場もあり、プライベートでも十分楽しめそうな場所です。

「かいこの家」はその公園の入り口近くにあり、その家の管理については同社が担っています。建物内はどなたでも自由に見学でき、春には山蚕の生体展示が行われています。古民家らしく囲炉裏もあり天井の梁も太く、縁側もあり、ほっとする空間になっていますので、興味がある方はぜひ現地へおでかけください。

今回は、そこに同社が飼育している蚕500頭を桑の葉と一緒に間近で見られるようにしていただきました。

ちなみに蚕は1匹、2匹ではなく、1頭、2頭と数えます。古くから人間と共に暮らした家畜として、頭で数えるそうです。

「かいこの家」では、土間の壁に蚕の一生や蚕が吐く絹がどのような製品になるかのイラストがあり、まず社員の清水さんから解説がありました。実際に蚕がいる空間で聞くお話には自然と引き込まれます。

続いて山本社長から蚕の話、シルク事業の話をしていただきました。 

蚕は、農薬に弱く、無農薬の桑の葉を食べて育ちます。蚕そのものが安全・安心な食べ物で育つので、蚕自身、そして蚕から作る絹は人にとって優しいといえます。昔は蚕の糸を手術に使っていたとか。人体への親和性も高いようです。また、蚕を育てる桑の葉もお茶にでき、糖尿病にいいそうです。

養蚕では、その工程で出る全てのものが使い切れ、無駄がなく、まさにエコそのものといえます。

現在は国産の絹は生産量が少なく貴重なので、同社が岐阜で育てた繭は、岐阜県蚕糸協会に買い上げられ、三味線や琴の弦等になるそうです。

環境にやさしいものでも企業にとっては採算ベースに乗らないとなかなか事業として成り立たないので、皆さんにもぜひ事業展開に注目していただけたらと思います。実際、同社では、化粧品、シルクパウダーとしての食用への活用等の他、大学と連携した取組みをされています。

社長のお話の後は昼食です。社員の方が桑の葉茶をご提供くださいました。薄黄色のそのお茶は、癖がなく優しいほっとする味でした。

さて昼食後は、いよいよワークショップです。4つのグループに分かれて行いました。

ワークショップというと、模造紙に付箋を貼って・・・というやり方が一般的ですが、今回は「えんたくん」を用いて行いました。「えんたくん」は、公益社団法人日本環境教育フォーラムの川島直(かわしまただし)さんが発案されたものです。誰でも自由に使うことができる円形のボードを用いた対話促進ツールです。

参加者の皆さんには、山本社長から聞いたお話や環境にやさしい「あったらいいな」と思えるシルクの商品、事業に「こんなものと結びつけると良いんじゃないかな」等、自由に思いついたアイデアを出してもらいました。

私たち個人ではなかなか取り組めないことでも、企業の力を借りれば、環境改善のスピードもアップすることでしょう。ここで出たアイデアは、フリーのアイデアということで、皆さんと共有していきました。

「えんたくん」を体験するのは皆さん初めてだったようですが、テーブルがなくても円になって座った人の膝の上に置いて使うことができ、また、円ならではの親近感のおかげか、どのグループも和気あいあいとした雰囲気の中、自分が思うアイデアを書き出してくれました。

発表では、各グループに山本社長がコメントをくださいました。社長も社員の方も事業の参考にしたいと思われるアイデアがいくつかあったようです。アイデアを事業に落とし込むのは難しい面もありますが、その一助となれたのなら事務局としても大変嬉しいです。

最後は、社長から参加者の皆さんに事業で開発された化粧品をプレゼントしていただきました。

天然由来、エシカル視点で環境負荷の少ない素材でつくられた製品に、社長の「安全・安心でいいものを作りたい、届けたい」というお話にあった熱い想いが伝わってきました。

今回は「かいこの家」での講座だったので、「ぎふ清流里山公園」をゆっくり周る時間はありませんでしたが、今度はプライベートで訪れてみたいと思います。

ご参加くださった皆さんありがとうございました。

受講後の生活の中で「この講座をきっかけに環境にやさしいこと、しているよ!」と言っていただければ幸いです。

また、富士凸版印刷株式会社の山本社長はじめ、準備からいろいろと携わってくださった社員の皆さまに、この場をかりて改めて心よりお礼申し上げます。

以上で開催報告は終わりです。

なごや環境大学は、今後も環境をキーワードに様々な活動を展開していきます。

ぜひウェブサイト、チラシ、SNS等でご注目ください!

そして一緒に活動しましょう!!