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【開催報告】 フィールド体験&NPO・企業・行政×あなたのSDGs企画大会!

  • レポート

第2回 東山動植物園から生物多様性30by30 を考える!

2024年7月6日(土)

フィールド体験&NPO・企業・行政×あなたのSDGs企画大会!

第2回 東山動植物園から生物多様性30by30 を考える!」を、東山植物園にて開催しました。

この講座は、参加者が、植物園にある貴重な植物を植物園長の解説を聞きながら巡り、生物多様性30by30を考えながら、世の中や植物園でできる取組みのアイデアを出し話し合うという講座です。

講師には東山植物園長 下総 勝義氏をお招きし開催しました。

今回のテーマである30by30(サーティバイサーティ)について。

環境省のウェブサイト、

30by30 - https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/kyousei/

に詳しく載っています。

2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全する目標であり、この目標は、生物多様性の損失を食い止め、回復させるネイチャーポジティブを目指しています。

そして、日本ではその取組みに向けたOECM(Other Effective area-based Conservation Measures)の仕組みとして「自然共生サイト」が導入されており、東山動植物園を含む「なごや東山の森」が今年に入り自然共生サイトとして認定されています。

さて、東山植物園での講座の話に戻ります。

東山植物園は動物園と同じ敷地ですが、最寄りの門は地下鉄星ヶ丘駅から徒歩10分弱程の星が丘門になります。そこに集合し、下総園長の案内で植物園でみられる絶滅危惧種を含めた珍しい植物を中心に散策を始めました。

まず、門からトンネルを抜けたところにある愛知県の木である「ハナノキ」、そして「ヒトツバタゴ」(別名なんじゃもんじゃの木)をご紹介いただきました。

「ハナノキ」は東海地方特有の木だそうで、葉裏が粉を吹いたように白く、風にそよぐとさわやかな印象を受けます。ハナノキもヒトツバタゴも自生地での個体数は少ないのですが、意外にも公園や庭などに緑化樹として植栽され、私たちの身近にも見られることが多々あるそうです。

自生地では絶滅が危惧されているけれど、緑化樹として馴染みのあるものが園内には多くありました。

その他、タイワンホトトギス、ハマユウ、ヤブミョウガ、キキョウ、オミナエシ等、季節の花も加えて植物園を巡ることができました。

オキナグサやトサミズキ、マメナシといった絶滅危惧種も園長の解説がなければ気づかず通り過ぎてしまうところでした。

星が丘門から源氏の庭、日本庭園、椿園、湿地園、奥池、也有園、圭介の庭、そして植物会館へ。

途中、岐阜県白川村から移築された合掌造りの家の近くで休憩しました。三角形の茅葺き屋根、天井の高いその家にはゆったりした空気が流れているようでした。

植物会館手前ある、名古屋市出身の植物学者伊藤圭介ゆかりの植物が植えられている「圭介の庭」では、それぞれの植物のどこに特徴があるのかが図解で示されています。

さて、いよいよ植物会館でのワークショップ。

今回は、講座の最初に「30by30」についての簡単な資料を配布し、また、下総園長からも絶滅危惧種の定義とわが国の絶滅危惧植物の現状がわかるデータ資料を提供していただきました。

さらにワークショップの最初に資料の簡単な解説や植物園巡りの質疑応答を行い、生物多様性について初めて知る方にもわかりやすく講座を進めることができました。

今回も第1回と同様「えんたくん」を使ったワークショップです。3つのグループに分かれて行いました。メンバーは世代を超えた構成になって、和気あいあいとした中、生物多様性について、社会で取組みたいこと、植物園で取組んでみて欲しいこと等さまざまなアイデアが出されました。

各グループの発表の後、下総園長からコメントをいただきました。

発表の中で「種の保存」についてのアイデアが出された際には、園長が、東山植物園では開園以来、海外の植物園と種子の交換を 継続して行っているということをご紹介くださいました。植物園の温室では、世界の絶滅危惧種の展示もあります。

生物多様性への植物園の役割は大きいですね。

参加した皆さんのアイデアは、植物園としてもご参考にしていただけそうなものが多く、充実したワークショップとなりました!

ご参加くださった皆さんありがとうございました。

また、講座の開催については準備から大変お世話になった、東山植物園の下総園長、近藤園長補佐には改めて心よりお礼申し上げます。

最後に

ふだん、皆さんは世代を超えて環境について話し合う機会はなかなかないのではないでしょうか。それに自分達のアイデアを直接運営側に伝える機会も少ないと思います。

今回の講座は、まさに参加者と企業、教育機関、行政側をつなぐネットワークをもつ「なごや環境大学」ならではの講座となり、受講後のアンケートも好評でした。

環境に興味のある方は、「なごや環境大学」の主催講座に参加してくださると大変嬉しいです!

なごや環境大学は、今後も環境をキーワードに様々な活動を展開していきます。

ぜひウェブサイト、チラシ、SNS等でご注目ください!

そして一緒に活動しましょう!!