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【開催報告】フィールド体験&NPO・企業・行政×あなたのSDGs企画大会!

  • レポート

第3回 アップサイクルから生まれる服と染めの商品づくりを考える!

2024年8月28日(水)

フィールド体験&NPO・企業・行政×あなたのSDGs企画大会!

第3回 「アップサイクルから生まれる服と染めの商品づくりを考える!」を、岐阜県大垣市にある株式会社艶金(つやきん)にて開催しました。

この講座は、参加者が洋服の染色工場を見学し、廃棄予定生地の再利用、食品や植物を加工した残りで染める「のこり染め」を体験、アップサイクルからできる商品にプラスしたアイデアを出し話し合うという講座です。株式会社艶金 代表取締役の墨勇志社長を講師として、その他同社社員の方々にもご協力いただき開催しました。

まず、第1回と同様にエコパルなごやに集合し、岐阜県大垣市に向けて出発。

バスの中では、なごや環境大学の環境教育コーディネーターによるSDGsクイズ(今回はアパレルやファッション産業の問題を出題)もあり、現地までの時間を楽しみました。

株式会社艶金は、主に洋服生地の染色整理加工、及び生地販売や縫製品販売を行っている会社で、その創業は明治22年。私たちの生活には欠かすことのできない衣服の染色を、当時から行っています。岐阜県大垣市は水がとても豊かな街、洋服の染色には大量の水が必要となるため、この地に工場を建てたそうです。

最初に墨社長から会社の概要や経営理念、ファッション産業が抱える問題についてお話しいただきました。なんと服一着つくるのに、浴槽11杯分の水(約2,300ℓ)と500mlペットボトル約255本分のCO₂(25.5kg)が排出されるそうです。エネルギーと水を大量に消費する産業ですが、株式会社艶金の経営理念として、

“目の前の利益にとらわれず、未来の子どもたちのために地球環境をよくすることを染色事業の中で推進する”

という想いがあり、アップサイクルの自社ブランド

(retricot リトリコ https://retricot-jp.com/

(KURAKIN  https://kurakin-jp.com/

を立ち上げるなど様々な事業を展開しています。墨社長の熱い想いとともに事業に対するインプットを受けました。

その後は、2班に分かれて工場見学を行いました。

染色前の生地保管方法の見学や、実際に染色するための機械、染色した後の水処理の仕方などを説明してもらいながら敷地内を回りました。更には、家屋の廃材を使用したバイオマス燃料、駐車場の屋根に太陽パネルを取り入れる、社員食堂で出る生ごみを段ボールコンポストで堆肥化し、自社農園で野菜を育てていることなどをご紹介いただきました。様々な環境への取り組みに対し、できることならなんでもやるという姿勢に感動しました。

工場見学の後は染色体験を行いました。用意してもらったプログラムは、玉ねぎの皮を使った染め体験です。普段は捨てられてしまう玉ねぎの皮を有効活用し、煮出して作った染料に、豆乳でハンカチに絵を描いた布を入れ、3分ほど煮て、取り出して布を乾かすと絵が浮かび上がります。

私も、「なごや環境大学」のロゴを描いて自分だけのハンカチを作りました!

染色体験も一息ついたところで、ワークショップを行いました。

今回も「えんたくん」を使ってのワークショップです。3つのグループに分かれて、ファッション産業で抱えている課題や、工場見学を元に、これから取り組んでみて欲しいこと等、それぞれアイデアを出し合って提案しました。

ファッションの専門学校とのコラボ、染色技術を活かして木材には染められないかなど様々なアイデアが出されました。

最後に、墨社長からコメントをいただきました。

様々なアイデアが出てとても参考になったという意見に加えて、中でも印象に残った話は、墨社長が就活生から聞いた話です。 最近は大きな名前のある会社よりも地球環境や社会のために貢献している企業の方が魅力的で、そういった会社に就職したいということ。未だファッション産業は大手が市場を占めていますが、墨社長が取り組まれてきたことが、若者の環境や社会への関心に大きく寄与しているのだと感じました。

企業を選ぶ、私たちにも責任があり、私も普段着ている衣服について少しでも大切に着ようという気持ちになりました。

最後に、講座の開催については準備から大変お世話になった、株式会社艶金の墨社長はじめ、社員の皆さまには改めて心よりお礼申し上げます。

なごや環境大学では、今後も環境をキーワードに様々な活動を展開していきます。

ぜひウェブサイト、チラシ、SNS等でお知らせしていきますので、今後ともよろしくお願いします!