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【開催報告】なごや環境大学主催講座 【フィールド体験&NPO・企業・行政×あなたのSDGs企画大会!】

  • レポート

2024年10月20日(日)
フィールド体験&NPO・企業・行政×あなたのSDGs企画大会!
第4回「海上の森 (かいしょ) の里山、自然保全のアイデアを考える!」を、愛知県瀬戸市にある海上の森にて開催しました。

海上の森は、愛知県瀬戸市の南東部に位置し、海上町(かいしょちょう)を中心に約 530 ha の広さを有します。また、その特異な地質(砂礫層)は乾燥地や湿地を形成し、「東海丘陵要素植物群」といわれるこの地独特の植物の育成等に大きな影響を与え、さまざまな野生生物が生息する豊かな自然環境となっています。
かつては、その一部が人間の手により生活の場である里山として維持され続け、里山の環境を好んで生育・生息する生物が数多くみられました。しかし、今では人々が里を離れ、残された森林や田畑等の維持管理などによる里山の保全活用が課題の一つとなっています。

今回の講座は、海上の森の特に里山について注目し、参加者が、海上の森の里山エリアでそこに息づく生きもの、植物を観察しながら歩き、里山の保全についてのアイデアを出し合い、保全活動を行うNPO法人 海上の森の会(以下、同団体)の方にそのアイデアを持続可能な活動に活かしてもらえるよう伝える講座です。

講師には、同団体の方々をお招きし開催にご協力いただきました。
同団体は、都市近郊に残された貴重な自然である海上の森が持つ価値を認識し、自然体験活動や里山保全活動を通じて、地域づくりと里山再生を目指して自然調査や森づくり、里づくり等5つのグループに分かれ活動をしています。
その活動は、2016年より公益財団法人日本ユネスコ協会連盟の「未来遺産プロジェクト」に指定されています。

当日は、現地に向かう車内で「なごや環境大学」実行委員会の環境教育コーディネーターが、SDGsや海上の森、同団体について一部を紹介し、今回の講座の流れを説明して理解を深めました。

現地駐車場で、同団体の方達から海上の森と団体の簡単な説明を受けました。生きものや森の写真を使ってわかりやすくお話していただき、自然観察への興味が沸いてきたところで里山サテライトを目指し出発!

道中は、海上の森の中でも舗装された歩道がしばらく続き、緩やかな歩きやすい登り道でした。
普通に歩けば30分もかからない道のりも自然観察をしながらだと40分以上かかりました。
同団体の自然調査グループの鈴木さん、細川さん、前島さん、そして同団体事務局の水嶋さんの4名の方にガイドしていただくことで、20種類以上の知らない、そして珍しい植物等を見つけることができました。

例えば、普通は湿地にある「トウカイコモウセンゴケ」は、水が染み出た山肌に見ることができました。
その他、ツルニンジン、スルガテンナンショウ、小さく連なる花の表が赤、裏が白で祝儀袋に使う紅白の水引のイメージから名前がついたといわれるミズヒキ、アオイトトンボなど、同団体のガイドのお陰で自然を身近に感じる贅沢な時間を過ごすことができました。

里山に着くと、同団体の里づくりの方々が迎えてくださいました。雨水を利用した有機栽培の野菜づくりのことや稲作から脱穀、そのもみ殻を蒸して炭化して肥料にすることなどをお話していただきました。

人手不足や携わる人の高齢化もあり、週に一回の里づくりのための農作業は大変そうです。
若い方達の協力があると心強いのではないでしょうか。

説明の後は里山サテライトで一休み。ここは別の場所にあった古民家を移築したとのこと。土間があったり、高い天井、土壁、開放的な間取り等、都市部では見かけることのない自然になじむ建物は海上の森にたたずむ癒しの空間でした。

その後、来た道を戻り、あいち海上の森センターに向かいました。そこでお昼休憩をした後にいよいよワークショップです。
お昼はセンター2階から出られる屋外のスペースで過ごす人が多かったようです。鳥のさえずりが聞こえ、緑を見ながら食べるおにぎりがおいしかったです。

さて、ワークショップでは、グループになって、午前中に歩いた自然や里山の様子から里山保全に向け「こういった企画や広報が里山を知ってもらうにはいいんじゃないかな、保全につながるかも」など自由に思いついたアイデアを出し合い共有し合って、同団体の皆さんに向けて発表しました。

午後からは先述の鈴木さんに代わって同団体森づくりグループの稲熊さんがご参加くださり計3名の方がグループの話し合いの場に入っていただきました。参加者からの保全活動への課題等の質問にも答えていただき、活発な意見交換ができました。

同団体では季節ごとのイベントもしていますし、HPもあります。しかし、参加者から出てきた意見の中で、やはりSNSでの情報発信にも力を入れていくことが、団体を支える新規層の獲得に有効そうだという話になりました。その他、森体験初心者ならではの視点からのアイデアが同団体の運営のお役に立てそうでした。

発表を終え、最後に同団体からどんぐりをモチーフにしたアクセサリーを参加者にいただき講座は終了しました。
ご参加くださった皆さま、NPO法人 海上の森の会の皆さま、ありがとうございました !!

今回で4回にわたって、フィールドやそこに関わる運営側を変えて行った主催講座【フィールド体験&NPO・企業・行政×あなたのSDGs企画大会!】は終了です。

それぞれのアイデアが運営者に届き、環境活動が加速していくことを願っています。
また、ご参加くださった皆さまがそれぞれの生活や活動の場で環境に関する何かしらのアクションを起こしてくださると嬉しいです!

なごや環境大学は、2025年3月に開学20周年を迎えます!
これからも環境をキーワードに様々な活動を展開していきます。
ぜひウェブサイト、チラシ、SNS等でご注目ください!
そして一緒に活動しましょう!!